ひなみ塾

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体罰・しつけについては、どうお考えでしょうか。

体罰・しつけについては、どうお考えでしょうか。
相談者: 無記名の相談者(小学生保護者)

「しつけ」と呼ばれるもの一般について、一度見直す必要があります。

そもそも、全てのしつけは「おしつけ」ではないでしょうか。親が自分の価値観に従って、「○○しなさい」「○○してはいけない」などとと子供の行動を規制するのですから。


よって、体罰をするか否かにかかわらず、「しつけ」と呼ばれるもの一般について、一度見直す必要があると思います。


ボクは、強制を好みません。事実、ひなみは宿題すら強制ではありません。なぜなら、強制は「こちらの方が相手よりも強い」という力関係を前提として成り立つものだからです。弱い方の立場に置かれた子供がそういう関係を喜ぶとは思えないからです。


それゆえ、例外的に「半強制的にしつけるべきか否か」を検討する場合には、「そうしつけなければ、子供自身に明白な不利益を及ぼすか」ということを判断基準にしています。


たとえば、子供が室内を走り回っているとしましょう。走り回ること自体は、子供自身の不利益には一切なりませんから、原則としては放置します。しかし、こちらが包丁をつかって料理しているときならば、話は別です。刃物を手にしたこちらに子供が突然ぶつかってきたら、明白に危険です。よって、「こちらが刃物を使っていて、ぶつかると危ないから、今走るのはやめなさい」「走りたければ、この線からこっちには入って来ないこと」などとはっきり伝えます。こういうときには、あいまいさは禁物で、明確に禁止しなければ子供には事態の急迫性が全くと言ってよいほど伝わらないと、経験から感じています。


もう一つの判断基準は「他の者(特に子供)に明白な不利益を及ぼすか」です。たとえば、授業時間中に走り回り、騒ぎ立てる子供がいたとしましょう。この場合、他の子供たちが集中して学ぶ環境を侵害しているわけですから、彼らにとって明白な不利益を及ぼしていると言えます。よって、「走るのはやめなさい」「どうしても走りたければ、外を走ってきなさい」とはっきり伝えます。

塾長のプロフィール

ひなみ塾塾長

黒川裕一(くろかわ ゆういち)

1972年生まれ。熊本市出身。

東京大学法学部卒業後、22歳で渡米。インディ系の映画製作に携わりつつ、1997年にコミュニケーション学修士号を取得(映画専攻)。

2003年、世界最大の脚本コンテストであるサンダンス・NHK国際映像作家賞の最優秀作品賞候補にノミネート。 アメリカ長期滞在の経験を生かし、映画のみならず大学のテキストなど語学関連の書籍も多数執筆。(2022年現在21冊)

2001 年秋、「故郷熊本をもっと元気に」 との願いを込め、 「自ら気づき、 仲間と学び、 社会で動く」 ことのできる人財の育成を目的に活動開始。

2002年には同活動の受け皿として「NPO法人ツムリ30」を設立。英語と映画を教材にした学びの実験室である「電影えいご室」(参加者のべ4000人)などを経て、2004年12月に総合コミュニケーションスクール「ことばの学校」を開校。

限定の講座に、関東、関西地方からの遠距離受講者も多数

。2006年には、「学ぶたのしさ、のびるよろこび、仲間との絆の深まり」を理念とした、「六秒塾」(現「ひなみ塾」)を開講、現在、小学校に入る前から一生学べる全17クラス、280名の塾生を抱え、全てのクラスを自ら教えている。