ひなみ塾

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なぜ「知育」に関しての二極化が起こるのでしょうか。

なぜ「知育」に関しての二極化が起こるのでしょうか。

保育の現場に居る者です。

今の親は「知育」に関して、二極化していると思います。

全く興味関心のない親が居る一方、とても熱心にいわゆる「知育教材」「知育教室」にトライする親がいます。

なぜ、このような現象が起こるのでしょうか。

相談者: 無記名の相談者(保護者)

現代日本が学歴社会であることに起因していると考えます。

根本的には、現代日本が学歴社会であることに起因していると考えます。「学歴社会」とは、学歴によって生涯獲得賃金が有意に左右される社会のことです。統計を見ると、今の日本では、いわゆる「偏差値の高い大学」を出た方が平均的な生涯獲得賃金が高いことが分かります。「皮膚感覚」としても、「何だかんだ言っても、やっぱり学歴高い方が有利」という気がしている方が多いのではないでしょうか。


そして、学歴を手に入れるためにはいわゆる「いい大学」の入学試験を突破する必要があり、多様化しつつあるとはいえ、大半の大学が何らかの知的実力を物差しとして合否を決定しているのが現実です。したがって、我が子のために「知育」を欲するのは親としてある意味当然の感情であり、できるだけ早い「知育」によって学歴社会において我が子が少しでも有利なポジションを取れるようにしようとするのもまた無理からぬことなのです。


「教育業界」は、この親の思いを熟知しています。だからこそ、以下のような「殺し文句」を次々に放り込んできます。

・脳にはタイムリミットがある。

・3歳までに人生が決まる。

・教育の投資効果は乳幼児期が最も高い。


今日の脳科学が「特定の発達を促すのに適した年代がある」と主張しているのは事実です。たとえば、身体能力が最も発達しやすいのは○○歳頃、リスニングやスピーキングが最も発達しやすいのは○○歳頃…といった具合です。


しかし、これは「その年代を逃せば致命的である」ことを意味しません。あくまでも、「その年代が、統計的には最も効率がよさそうだと現時点では考えられる」という程度のことです。よって、情報に振り回されることなく、落ち着いて、まずは我が子のことをじっくりと観察するところから始めれば十分ではないかと思います。


なお、一方で知育に全く興味関心のない親がいるとのことですが、これはむしろ、「知育に熱心な親」の存在によって、「そうでない層」の存在も同時に際立っているだけなのではないでしょうか。

塾長のプロフィール

ひなみ塾塾長

黒川裕一(くろかわ ゆういち)

1972年生まれ。熊本市出身。

東京大学法学部卒業後、22歳で渡米。インディ系の映画製作に携わりつつ、1997年にコミュニケーション学修士号を取得(映画専攻)。

2003年、世界最大の脚本コンテストであるサンダンス・NHK国際映像作家賞の最優秀作品賞候補にノミネート。 アメリカ長期滞在の経験を生かし、映画のみならず大学のテキストなど語学関連の書籍も多数執筆。(2022年現在21冊)

2001 年秋、「故郷熊本をもっと元気に」 との願いを込め、 「自ら気づき、 仲間と学び、 社会で動く」 ことのできる人財の育成を目的に活動開始。

2002年には同活動の受け皿として「NPO法人ツムリ30」を設立。英語と映画を教材にした学びの実験室である「電影えいご室」(参加者のべ4000人)などを経て、2004年12月に総合コミュニケーションスクール「ことばの学校」を開校。

限定の講座に、関東、関西地方からの遠距離受講者も多数

。2006年には、「学ぶたのしさ、のびるよろこび、仲間との絆の深まり」を理念とした、「六秒塾」(現「ひなみ塾」)を開講、現在、小学校に入る前から一生学べる全17クラス、280名の塾生を抱え、全てのクラスを自ら教えている。