ひなみ塾

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同調圧力に強くなる方法はありますか。

同調圧力に強くなる方法はありますか。
相談者: 無記名の相談者

好きなことがどうしても見つからないのであれば、「嫌じゃないこと」をともかく始めてみてください。

同調とは「みんながそうするから、自分もそうする」という行動パターンのことであり、同調圧力とは「みんなもそうしているのだから、あなたもそうするべきだ」という圧力のことです。


同調する理由は、大きく分けて二つあると考えます。


  • 人間は怠け者であるから。すなわち、いちいち考えるよりも、周囲に合わせる方が楽であるということ。
  • 生存により有利な選択であるから。すなわち、周囲から浮くような行動を取るよりも、周囲に合わせる方がコミュニティ内での生存可能性が高まるということ。


人間が怠け者であることについては、今後も大きな変化はないかもしれません。しかし、同調が生存に有利か否かについては、今後劇的に変わっていく可能性が高いのではないかと思います。なぜなら、同調して「他と同じ」であることは「交換可能」であるとも考えられるからです。交換可能な存在の行き着く先は、機械と交換可能という地点ではないでしょうか。ここまで来ると、経済的に不利な立場が予想されるのみならず、人としての尊厳という観点からも、相当に辛い状況になるのではないかと想像されます。


よって、同調圧力への盲従は、もはや良策ではないと考えた方がよさそうです。むしろ、適当にやり過ごし、我が道を行った方が、よほど生存可能性は高まるのではないでしょうか。そして、そのためには、好きなことをともかく続けることが最も着手しやすく、継続もしやすいと思います。物事は、長年続けているうちに、良さがだんだん分かってきて、より深く好きになっていくものです。同時に、活動実績が蓄積すれば、じわじわと価値も高まっていきます。たとえば、ボクの長年の友人である橋本博さんは、漫画好きが高じていつしか日本屈指のコレクターとなり、今や行政を巻き込んで合志マンガミュージアムの館長に収まっています。そして、「熊本を日本一の漫画の集積地に」と日々駆け回り、七十歳を過ぎてなお、獅子奮迅の大活躍をしています。「漫画愛」を貫いた結果、「代わりのいない人」になり、大好きな漫画を通して地域に多大なる貢献をしているその姿は、これからの時代のロールモデルであると思います。


 好きなことがどうしても見つからないのであれば、「嫌じゃないこと」をともかく始めてみてください。そして続けてみてください。スタートはそれで十分ですし、まずははじめの一歩を踏み出すことが大切だと思います。

塾長のプロフィール

ひなみ塾塾長

黒川裕一(くろかわ ゆういち)

1972年生まれ。熊本市出身。

東京大学法学部卒業後、22歳で渡米。インディ系の映画製作に携わりつつ、1997年にコミュニケーション学修士号を取得(映画専攻)。

2003年、世界最大の脚本コンテストであるサンダンス・NHK国際映像作家賞の最優秀作品賞候補にノミネート。 アメリカ長期滞在の経験を生かし、映画のみならず大学のテキストなど語学関連の書籍も多数執筆。(2022年現在21冊)

2001 年秋、「故郷熊本をもっと元気に」 との願いを込め、 「自ら気づき、 仲間と学び、 社会で動く」 ことのできる人財の育成を目的に活動開始。

2002年には同活動の受け皿として「NPO法人ツムリ30」を設立。英語と映画を教材にした学びの実験室である「電影えいご室」(参加者のべ4000人)などを経て、2004年12月に総合コミュニケーションスクール「ことばの学校」を開校。

限定の講座に、関東、関西地方からの遠距離受講者も多数

。2006年には、「学ぶたのしさ、のびるよろこび、仲間との絆の深まり」を理念とした、「六秒塾」(現「ひなみ塾」)を開講、現在、小学校に入る前から一生学べる全17クラス、280名の塾生を抱え、全てのクラスを自ら教えている。