ひなみ塾

自分でゴールを決めて、仲間とともに楽しく工夫しながらやり抜き、感動を生む人を育てる私塾

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「やめた方が良い」とは分かっていても、「やめたい」と心から思えないことがあります。

「やめた方が良い」とは分かっていても、「やめたい」と心から思えないことがあります。

そのようなことは、やっぱりやめた方がよいのでしょうか。(たとえば、「夜更かし」「ジャンクフード」など)

相談者: 無記名の相談者

「より楽しいことを見つけること」。これに尽きます。

「やめなければ」と考えること自体、楽しくないですよね。「頭で考え、やめた方が良いと結論したのでやめる」というアプローチを取る限り、やめることによって必ず心身へのストレスがかかります。なぜなら、本当はやめたくないからです。


しかも、多くの場合、リバウンドが懸念されます。「禁欲」や「抑圧」がリバウンドをもたらしがちなのは、「我慢した結果、やめようとしていることの『価値』がかえって上がってしまう」からだと思います。たとえば、お酒をやめようとしている人がいるとしましょう。その人にとって、お酒は「飲むべきではない」けれども「飲みたい」ものです。そこで、1週間に1回だけ、夕食時にお酒を飲むことにし、他の日は一切飲まないことにしたとします。当然、お酒を飲める日が待ち遠しくなりますよね。待ちに待ってから飲むお酒は、今まで以上においしいに違いありません。こうして、お酒を飲むことの「価値」は、禁欲によってかえって跳ね上がるわけです。


したがって、別なアプローチを取る必要があると考えます。「したいけれども、すべきでない」ではうまく行かないわけですから、「したくない」に持っていくのがよさそうです。しかし、「したい」ものをすぐさま「したくない」に切り替えるのは難しいのではないでしょうか。そこで、まずは「したい」を「それほどしたくない」に「降格」させてみることを試みます。


具体的には、「より楽しいことを見つけること」。これに尽きます。


たとえば、お酒が大好きで毎晩飲んでいた人が、天体観測に目覚めたとしましょう。最初は自宅の二階から天体望遠鏡をのぞくくらいでも満足するかもしれませんが、慣れて来るにしたがって、町なかは明るすぎて、見える星に限界があると感じるようになってくるはずです。すると、郊外の暗くて空気の澄んだ場所まで出向きたくなったりするものです。飲酒運転はできませんから、当然、その夜はお酒を控えることになります。これは「禁欲」ではありませんから、ストレスにもならなければ、飲酒の価値を高める結果にもなりません。よって、リバウンドの心配もありません。「毒を以て毒を制す」という言葉がありますが、「欲望をもって欲望を制す」のが王道ではないでしょうか。

塾長のプロフィール

ひなみ塾塾長

黒川裕一(くろかわ ゆういち)

1972年生まれ。熊本市出身。

東京大学法学部卒業後、22歳で渡米。インディ系の映画製作に携わりつつ、1997年にコミュニケーション学修士号を取得(映画専攻)。

2003年、世界最大の脚本コンテストであるサンダンス・NHK国際映像作家賞の最優秀作品賞候補にノミネート。 アメリカ長期滞在の経験を生かし、映画のみならず大学のテキストなど語学関連の書籍も多数執筆。(2022年現在21冊)

2001 年秋、「故郷熊本をもっと元気に」 との願いを込め、 「自ら気づき、 仲間と学び、 社会で動く」 ことのできる人財の育成を目的に活動開始。

2002年には同活動の受け皿として「NPO法人ツムリ30」を設立。英語と映画を教材にした学びの実験室である「電影えいご室」(参加者のべ4000人)などを経て、2004年12月に総合コミュニケーションスクール「ことばの学校」を開校。

限定の講座に、関東、関西地方からの遠距離受講者も多数

。2006年には、「学ぶたのしさ、のびるよろこび、仲間との絆の深まり」を理念とした、「六秒塾」(現「ひなみ塾」)を開講、現在、小学校に入る前から一生学べる全17クラス、280名の塾生を抱え、全てのクラスを自ら教えている。